現代ガラスの輝き 吉本由美子 ガラスの天使
ランプワークという技法で独自の表現を切り開いた、日本を代表するガラス作家・吉本由美子氏。
「ガラスの天使」12体は、吉本氏が当館を訪れ、美しく愛らしい天使が飛び交い、語り合う様をイメージして制作したものです。
繊細で華麗な天使が夢の世界へ誘います。


明るく楽しい色ガラスの世界 横山尚人の「グラスデコール」
「グラスデコール」とは装飾性豊かなガラス造形を志向する横山尚人氏の造語です。
 氏が目指すのは、見る人に語りかけ、夢(イメージ)を伝えるヒューマンな美的表現。
それには、装飾性が重要なキーワードとなっています。多彩な色ガラスの斑文が織り成す装飾美と自由奔放なフォルムが魅力です。
 「人々に語りかけ、人々と共にあるガラス」づくりを目指して制作を続ける横山氏の色鮮やかな十二支を展示。


ローマ帝国時代の出土ガラス「ローマングラス」
紀元前後、ローマ帝国領内で作られたガラスをローマングラスと言います。
当美術館では、とリわけ美しく玉虫色に煌めく銀化現象を伴って発掘された瓶や壼などを収蔵・展示しています。

ローマングラスとは・・・・
紀元前1世紀から紀元4世紀末まで、ローマ帝国は東はシリア、西はポルトガル、北はドイツ、南はエジプトまで領土を拡大しました。
軍隊を各地に駐屯させ、ガラス職人を派遣してガラスの製造に当たらせたのです。
したがって当時の遺品は、東地中海沿岸、西アジアをはじめ、フランス、ドイツ、イギリスなどから広範囲にわたって出土しています。
更にシルクロードを経由してインドやアフガニスタン、中国、果ては日本にまで運ばれており、世界各地に輸出されていたことが分かります。

今日、我々が手にするローマン・グラスは、二千年の眠りから覚め、稀に美しい虹色を帯びています。
この虹色は銀化(iridescence)と呼ばれ、ローマン・グラスの魅力の1つです。
この現象は土中の水分などによって、ガラスの成分からアルカリ分が浸出し、珪酸の網状組織が分解されることによって起こる一種の風化現象です。
その結果、ガラスの表面に雲母状の珪酸層が形成され、光を乱反射して金色や銀色に輝くことになります。
ローマン・グラスの次なる魅力は、様々な器形の自由で伸びやかな造形性といえます。
とりわけ香油を入れた小瓶や涙壷と呼ばれる細長いへちま形の小壷など、その用途を想像するだけでも楽しいでしょう。


郷土出身の南画家 児玉果亭
児玉果亭(こだま・かてい)は天保12年渋温泉に生まれ、安政2年、佐久間雲窓の門下生となり南画の修業を行いました。
慶應3年、畔上楳仙を頼って画の研鐙に励み、明治8年、楳仙の薦めで京都の南画の大家田能村直入の門下生となります。
明治10年には渋温泉に竹仙居を建てて制作に励みます。大正2年1月14日、静養先の神奈川県 小田原市で逝去、享年73歳でした。


遊牧民の生活文化を代表する伝統的なキリム
中央アジアから中近東一帯にかけての遊牧民が、古くから織り継いできた平織物。
絵柄は、自然や動物、信仰に関する象徴的シンボルなど。当館では18世紀後半から現代にかけてのキリムを収蔵しています。


古き良き時代を偲ばせる 浪漫コレクション
日本の古き良き時代の息吹を感じさせるコレクション。
江戸・明治・大正期のガラス、明治錦絵、ランプ、絵葉書などを中心に、時代をうつす生活文化遺産資料を展示しています。